パ・リーグ打点王の日本ハム小谷野栄一内野手(30)が、佑ちゃんの「部外講師」に名乗りを上げた。20日、札幌市内の球団事務所で6000万円増の推定年俸1億4600万円で契約を更改。球団側からは若手選手の教育を要請され、受諾。ドラフト1位の早大・斎藤佑樹投手(22=早実)にも機会があれば、打者目線からの助言を送る考えで、投手と野手の垣根を越えサポートしていく。

 名実ともに、そして報酬的にも主力に上り詰めた自覚だった。小谷野は「球団からもお願いされましたし、聞いてくる若い選手がいれば伝えたい」と、後進の養成に意欲十分だ。精神疾患のパニック障害を患い一時、選手生命の危機に直面。魅力十分のサクセスストーリーを持つ苦労人の視線は、野手だけにとどまらずチーム全体にも向いた。その1人が、斎藤佑だ。

 来年2月のキャンプでは実戦で打席に立ち、ともにプレーする機会もある。小谷野は「斎藤君だけではないですけれど(若手投手にも)守ったりしていて、気付くことがあれば言いたい」と話した。野手の視点からの指摘は、アマとプロの違いを再認識できる格好の材料になりそう。照れ屋の主砲も一肌脱いで、注目新人の門出を飾る。【高山通史】

 [2010年12月21日10時50分

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