中日は20日、新外国人となるジョエル・グスマン外野手(26=オリオールズ2A)と年俸30万ドル(約2400万円)、フェリックス・カラスコ内野手(23=ドミニカ共和国)と年俸15万ドル(約1200万円)で正式契約したと発表した。右のグスマンは、09年の2冠王ブランコ以上の飛距離を誇り、同じ一塁を守る主砲の「影武者」。調子のいいほうが出場する超重量級のツープラトン攻撃が実現する。背番号はグスマンが「45」、カラスコが「48」と決まった。

 何ともぜいたくな陣容になった。この日、正式に大砲グスマン獲得が発表された。森ヘッドコーチが4年間、追い続けてきた逸材で昨季の2冠王ブランコの「影武者」として白羽の矢を立てた。体格、飛距離、そしてドミニカ共和国での知名度はブランコを上回る怪物。また、一塁、三塁、外野を守れる器用さもある。注目の起用法について森ヘッドはこう話した。

 森ヘッドコーチ

 いい方を使うことになるだろう。ブランコは普通にやってくれればいい。でも、今年みたいな状態なら出られないこともあり得る。2人とも良ければ、同時に出たっていいはず。その辺りは監督がキャンプで見て判断するだろう。

 脅威のツープラトン作戦だ。あくまで来日3年目となるブランコがレギュラーの第1候補だが、相手に研究されて、今季のように不振であれば、すぐにでもグスマンと入れ替える。ブランコは波の大きい打者だけに、同じタイプの長距離砲が控えていることはベンチにとって心強い。今季のようにブランコがシーズン途中で故障しても、グスマンが評判通りの働きをすれば、打線の破壊力は衰えない。グスマンは一、三塁、外野を守れるため、併用の可能性もある。

 森ヘッド

 ブランコも相手の実力がわかっているから、うかうかしていられないだろう。だいぶ、動ける体になっているみたいだな。

 グスマン獲得により、ブランコの尻にも火がついたようで、例年以上にトレーニングに励んでいるという。早くも刺激策が効果を表し始めている。グスマンは球団を通じて「いい仕事をし、ケガをせず、打撃でチームの勝利に貢献する」と自信たっぷりのコメントを発表した。年俸はブランコの来日1年目と同じ30万ドル。脅威の助っ人が常勝軍団に加わる。【鈴木忠平】

 [2010年12月21日11時31分

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