これが正妻の心得だ!

 ソフトバンクにFA移籍した細川亨捕手(31)が6日、今春の宮崎キャンプのブルペンで育成を含めた全41選手のボールを捕球することを宣言し、グアム自主トレへ出発した。全選手が同施設内で練習を行う環境を利用し、投手陣の特徴を把握する狙い。オープン戦全試合出場も予告し、扇の要としてフル回転する。

 正妻をつとめる決意が言葉に乗り移った。細川が仰天プランを宣言し、自主トレ地グアムに出発した。この日早朝の成田空港。新天地ホークスで異例の「ブルペン行脚」を明言した。

 「キャンプで全員の投手の球を捕る。それが仕事。B組(2軍)?

 ホークスは(施設が)一緒なんですよね。捕りたい。捕っているだけで違いますから」。

 ホークス投手陣は契約交渉中のDJホールトン投手を含めれば、支配下選手では32選手になる見込み。育成選手が全員キャンプ参加するとすれば9人増えて計41人。西武は1軍が宮崎南郷、2軍が高知春野で春季キャンプを張るが、ソフトバンクは宮崎市生目(いきめ)の杜運動公園に全選手が集う。ブルペンもA、B組が隣接して設置されている。その環境を生かさない手はない。

 「秋山監督からも若手を育ててほしいと言われている。巽とか岩崎とかですかね。若手をレベルアップさせたい」。

 実際は、ブルペンで全41投手のボールを受けるのは、至難のわざだ。キャンプ日程はA組が1日から23日、B組が1日から28日。B組を基準にすると休日が5日あり、実質23日間。単純計算で1日1・8人をこなす必要がある。同じ投手と何度も相手をするケースもある。自身のフリー打撃や投内連係、守備練習もある。

 それでも、投手の特徴を把握するため、努力を惜しまない。実戦でも同じだ。今季ホークスのオープン戦は18試合。その全試合に出場するつもりだ。

 「全部出たい。全員の球を捕りたいし、その日の調子もある。調子の悪いときも知っておかないといけない。それをシーズンにつなげたい」。

 各投手の好不調の波を知ることが、シーズンでも安定したリードにつながると考えている。すべては1日でも早く溶け込もうとする気持ちの裏返し。グアムでは2月キャンプに備え、下半身中心のトレーニングを重ね、19日に帰国する。大仕事が待っている2月春季キャンプ、オープン戦へ向け、本格的に動き始める。

 [2011年1月7日11時24分

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