開幕だけがすべてじゃない!

 阪神城島健司捕手(34)が9日、自主トレの拠点となる故郷・佐世保市内で84日ぶりに公の場に登場。昨年11月に受けた左膝手術の現状を初めて肉声で語った。早期回復に努める城島は「開幕の日にプレーすれば、自分の目標を達成したではない」と発言。1年間トータルでの復活劇を最大の目標とした。

 昨年のCS巨人戦敗退から84日ぶりに、城島が公の場に姿を見せた。膝を手術した左足を引きずることなく、きびきびと動かして球場入り。カメラの放列を見ると「あっ、包帯巻いてくるのを忘れた」と笑った。

 城島

 開幕に復帰するためにやっているわけじゃない。シーズンを通していい成績を残すためにやっている。開幕を目指し、開幕の日にプレーすれば自分の目標を達成した、ではない。それで終わりじゃない。

 見据える先は2011年シーズン全体だ。レギュラー捕手としての責務はチームを勝利に導くこと。プロとして1日も早い回復を目指すことは当然だが、目先の1試合にこだわっているわけではない。

 城島

 個人的には全試合、全イニングに出るつもり。自分の中で限界を決めるつもりはない。ただ状況に応じてベストの状況、手術したから必要な交代、休みは受け入れなきゃいけない。今の自分のベストパフォーマンスとチームにとってベストな判断(の考慮)はしなきゃいけない。

 左膝手術後、一貫して3・25開幕を口にした。この日は患部にサポーターなどの補助器具なしで歩行。秋山らの自主トレを見守り、自身のリハビリを公の場で披露することはなかった。年末の時点で5月中旬復帰の診断より1週間早い回復ぶり。左膝手術を「車検みたいなもの。いつかはしなくちゃいけなかった」と表現し「皆さんが思う以上にできていると思う」と言った。

 城島

 もちろん開幕に出るつもりは満々ですが、開幕に間に合わなくても次の日、それも間に合わないなら第3戦。1日でも1時間でも早くと思っている。

 リハビリと真摯(しんし)に向き合う一方で、持ち前の陽気さも失っていない。イチローが釣りにいっているから大丈夫と指摘したことを受け「否定はしません。足が曲がらなくても魚釣りにはいける。釣りにいきたいと思うのが、心が折れていない証拠です」とあっけらかんと笑った。

 城島

 (5月中旬復帰は)医師の見解でしょうけど、僕の膝が結果を出す。リハビリに時間がかかるけど、マイナスばかりじゃない。まだまだ去年よりもいいパフォーマンスができるかもしれないし、野球選手として発見もある。結果がすべて。今年のことはシーズンが終わらないとわからないでしょ。

 最大のミッションはチームを栄冠に導くこと。百戦錬磨の城島がそれを見誤ることはない。

 [2011年1月10日11時22分

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