えっ、キャンプで変化球投げない?

 中日の守護神岩瀬仁紀投手(36)が15日、鳥取市内のスポーツジム「ワールドウイング」で本格的に始動。2月キャンプで変化球を控えて、直球に磨きをかけることを宣言した。若かったころのストレートを取り戻し、守護神の威光を死守する。

 竜の守護神が原点回帰する。前人未到の300セーブが期待される今シーズンにかける思いは強い。だからこそ自分を見つめ直す。小雪の舞い散る鳥取で、鉄腕岩瀬が変化球を封印し直球を全盛期に戻す「若返り計画」を口にした。

 岩瀬

 今年は何もチャレンジしない。まっすぐを良くしないと。今まではすぐに変化球に手を出していた。新しい球を覚えようとしていた。球数が少なくても納得のまっすぐを投げる。キャンプでも納得するまで変化球を投げない。

 これまでオフの活動拠点としている「ワールドウイング」では新球挑戦が恒例行事だった。今年は開幕まで直球にこだわる。理想は直球とスライダーだけで打者を翻弄(ほんろう)していた10年前の球質だ。

 岩瀬

 ここ数年は自分の感覚と打球の飛ぶ位置というのが変わってきた。今まで詰まっていた打球が詰まらなくなっている。球速ではなく球質。感覚的なものだけど、昔のものに戻せるようにしないといけない。

 球質の「アンチエイジング」。年末から肉体改造にも着手している。昨季は一時、体重が90キロ台に突入。危機感を感じていた。お誘いの多い年末年始も、食事の時間帯を決めて約3キロのダイエットに成功。少しほっそりした85キロの体重を今季はキープするつもりだ。

 岩瀬

 周りからいろいろ言われるけど、もう1回、安定した力を出したい。今は(首脳陣に)気を使ってもらっているけど、周りから「岩瀬をそんなに使って大丈夫か」と言われたい。

 球界を代表する鉄腕もここ数年は苦しんでいる。12年間、50試合以上に登板しているが、09年は原因不明の左手の神経痛に襲われた。昨季は右手のしびれこそなかったが、終盤は「崩れた」と感じている。

 岩瀬を10年以上、指導している同ジム小山代表は「今年の体は間違いなく良い。期待できる」と太鼓判を押している。【桝井聡】

 [2011年1月16日10時17分

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