日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が2日、沖縄・名護キャンプ初のブルペン入りで38球を投げた。梨田昌孝監督(57)が直々に捕手役を務めるなど、注目の本格投球にも冷静。プロとアマで微妙に違うと言われるストライクゾーンを確認した。

 緊張のキャンプ初日を経て、斎藤はいつもの冷静さを取り戻していた。注目された初ブルペンに、ファン、報道陣だけでなく同僚の投手までも一目見ようと駆けつけた。第1球を投じる捕手役には梨田監督。力が入っても仕方がない状況下で変化球を交え計38球。明確な目的を持ち、1球1球を丁寧に、淡々とコースに投げ分けた。

 「審判の方もいたのでストライクゾーンを意識してチェックしました。(アマ時代に比べ)両サイドのコーナーはちょっと狭いかなと。ボール半個分くらいです」。プロとアマでは微妙に違うといわれるストライクゾーンを確認するため、鶴岡、今成ら先輩捕手に座る位置を変えてもらった。38球中26球を受けた今成を「しっかり考えて投げているんだなと思った」と感心させた。

 捕手の手前でワンバウンドする投球も4球あったが、球種はすべてスライダー。実戦を想定し、空振りを誘う組み立てで、すべては計算通りだった。「基本的には、(ブルペンの)投球内容よりは、実戦で力が出るタイプなので。今日は練習という感じ。いつも通りです」。若手投手はブルペンをアピールの場とするのが通例だが、斎藤は来るべき初実戦に向けてマウンドに立っていた。

 梨田監督は「今日は低めを狙って、実戦を意識した感じだった。(実戦登板は)早ければ13日」と話した。第3クール初日の10日にもフリー打撃投手に起用。そこで打者への感覚を養わせ、予定通りに韓国サムスン戦(名護)で実戦デビューさせる方針だ。

 斎藤も実戦に向けて「いつでも投げられる状態なので、投げられるならば早めに投げたい」と意気込む。この日の練習後、自主的にランニングメニューを追加した。いったん宿舎に戻ってからの予定だったが、ファンが動いて球団関係者や警備員の負担も増えることを懸念し、そのまま練習を続けた。周りを気遣う余裕も生まれ、早くも佑ちゃんのペースになってきた。【木下大輔】

 [2011年2月3日8時53分

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