日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)のフィーバー対策で、1日限定の「佑ちゃん道交法」が検討されていることが8日、分かった。実戦デビューとなる13日の韓国サムスン戦(名護)は周辺道路の大渋滞が確実。相手球団の球場入りをスムーズにするため、片側2車線の国道58号のうち1車線を一時封鎖する可能性が出てきた。当日は名護警察署から私服警官を配備するなど、記念すべき初登板へ向けて周辺の準備も整ってきた。

 空前の佑ちゃんフィーバーが、名護の交通網を変える事態となりそうだ。予定されている13日のサムスン戦まで5日に迫ったこの日、「佑ちゃん道交法」が検討されていることが判明。そこで球団サイドは、試合当日にバス移動する相手チームが球場入りできないような大渋滞の場合をシミュレーション。その際に1車線封鎖という「ウルトラC」で対応することを視野に入れた。

 特殊な事情が重なってしまうことが背景にある。同日は“3連休”最後の日曜日。球場に沿うように走っている片側2車線の国道58号が、特別態勢の対象になる。名護最寄りの高速道路の許田ICから、本部町にある美ら海(ちゅらうみ)水族館など、沖縄本島北部の観光スポットへと向かう動脈になっている。休日には昼夜を問わず、慢性的な渋滞を引き起こすことで有名。そこに斎藤目当てのファンが球場に押しかければ、想像以上に大混雑する可能性は高い。

 球団側は関係各所と善後策を協議。名護市に隣接する恩納村から移動するサムスンのバスには、2車線のうちの右側を通行することを推奨。1車線を“ワープ”するようにしてバスを導き、試合進行などに支障が出ないようにするという。

 球場周辺の渋滞緩和のため、名護市側の協力で臨時駐車場などが設けられている。球団関係者によれば「警備、また警察の方々と今、いろいろと話をしているところ。もし大変な状況になったら、協力をしてもらえるようにしたい」と有事に備えている。名護警察署は渋滞対策だけではなく、私服警官を配置するなど万策を期す構えで、晴れ舞台に水を差すようなトラブル回避へ万全だ。

 そんなこともつゆ知らず、国民的人気のルーキーはブルペン入りせず、軽めのメニューを消化した。この日がキャンプ第2クール最終日で、今日9日は休日。10日には初めて打撃投手を務める。「だいぶチームの雰囲気にも慣れてきました。その代わり、体が疲れてきました。もう1度、気を引き締めたい」と充実の表情を見せた。群馬から駆けつけた両親が見守る中で、ダルビッシュらとバント処理の練習を行うなどして守備の重要性を再認識し、出陣準備を整えた。

 [2011年2月9日8時17分

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