星野監督を男にする。楽天山崎武司内野手(42)が沖縄・久米島キャンプ休日の9日、プロ25年目に臨む胸中を語った。入団して最初に出会った恩師に「良い思いをさせてあげたい」と強調。目標に球団初Vと88年門田(南海)、08年ローズ(オリックス)に続く3人目の「40歳代で40本塁打」を掲げた。引退も覚悟する男の戦いが幕を開ける。

 星野フィーバーとは無縁だった。1軍の久米島球場から10キロ。2軍の仲里球場で、山崎はプロ25年目の今年も静かに刀を研いでいた。4番に指名してくれた監督に応えるために。

 山崎

 順調だけど、まだ10のうち5。第3クールから特打をやる。監督からは一塁守備を真剣にやれと。ルイーズを見て心配になったかな?

 打撃にも好影響を与えると思ってやる。

 例年3月中旬に1軍合流する。日程に照らせば3月9日、甲子園での阪神戦が1つのタイミングになる。

 山崎

 別に、甲子園に合わせてとは考えてないよ(笑い)。ただ、シーズンでは監督に甲子園で良い思いをさせてあげたい。恥はかかせられない。監督の思いをくめるチームにならなあかん。CSを含めた百五十数試合と考えている。

 球団悲願の初優勝へ。「30本塁打以上」としてきた今季目標を上方修正した。

 山崎

 30本と言えば20本後半で終わっちゃう。40本を目標に頑張らなあかん。

 高い志は、覚悟と隣り合わせでもある。

 山崎

 成績が悪ければ、若い選手みたいに来年もチャンスはもらえない。中心打者として6年やらせてもらった。オレなしでもチームがまとまり必要とされてないと思ったら、ユニホームを脱がなあかんだろう。そう感じたときは、きれいに潔く辞めようと思う。

 昼からホエールウオッチングに出掛け、運良くザトウクジラを目撃した。幸運を呼ぶ鯨のように、でっかい体で楽天に勝利を呼ぶ。【取材、構成=古川真弥】

 [2011年2月10日8時51分

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