キャッチャー城島が帰ってくる。左膝半月板手術のリハビリを進める阪神城島健司捕手(34)が10日からの第3クールでブルペン捕球を再開すると明かした。

 「ブルペンで(立って捕球する)立ち投げなら受けてもいいということです。ボールのスピードに慣れる感覚でね。ミットもつくっていきたいし」。

 待ち遠しくて仕方ない。実は8日もキャッチボールを終えてから、ブルペンに向かおうとしていた。球団スタッフに確認したところ、投手陣のブルペン入りまでまだ1時間もある。肩が温まった状態で行きたいという思いから「待てん…」と断念していた。

 「どんどん野球選手になっていく感じがしてうれしい」という城島。これまでのメニューはすべて石原トレーナーと2人きり。ナインと接する練習はなかった。だが、これからは違う。メニューにブルペン捕球を組み入れていく。

 「江草、西村、秋山とかできれば知っている投手に投げてもらいたい」。

 相手には、昨年バッテリーを組み、気心の知れた投手を指名。今年の秋山はどうだ、西村の肩の具合は…。城島のスイッチは実戦モードに替わり、司令塔の頭脳も再起動するはずだ。

 ブルペン入りにはほかにも大きな利点がある。「打つ方のスピードにも慣れることができる。そういう感覚で受ければいい」。投手の生きた球を間近で実感し、動体視力や感覚を取り戻すというわけだ。

 このクールからは「軽快走」という抑えめのダッシュがメニューに加わる。「軽快走ができればノックもフリー打撃もできる」。ゴロ捕球や本格的なフリー打撃、そしてブルペン。長く、つらいリハビリの中でようやく聞こえてきた球春の足音。ため込んだ欲望を一気に解き放つ。【柏原誠】

 [2011年2月10日11時48分

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