巨人内海哲也投手(28)が12日、新フォームの完成を印象づけた。ブルペン入りし、今キャンプチーム最多となる202球の投げ込み。新たに取り組むフィギュアスケートのジャンプを参考にした「トリプルアクセル投法」で、200球を超える熱投を華麗にクリアした。2年連続3度目の開幕投手に向け、氷上ならぬマウンド上で真価を発揮する。

 右足を上げ、体の中心に力をためる。リリースの瞬間、巨人内海はその全てをボールに込めた。今キャンプチーム最多となる202球の熱投。プロ入り後、1度しか経験のない領域を超えても、ボールの威力とキレは衰えていなかった。「200球を超えるという気持ちで投げた。気持ち良かったですね」。自然と笑みがあふれ、充実感が胸を包んだ。

 ただ1人残ったブルペンで、華麗に“回転”した。今オフは投球フォームの改造に取り組んでいる。参考にしたのが、フィギュアスケートのジャンプだった。個人トレーナーの保田氏は「ジャンプを跳ぶ時は体を小さくして中心に力をためて、一気に放出しますよね。体の使い方は参考になると思います」と解説した。186センチの浅田真央。軸足の左膝を大きく曲げるわけではないものの、体が沈み込むような意識でためをつくって投げる。「軸を意識する」ことによって躍動感が増した。

 3度の給水を挟み、要した時間は1時間。それでも「いい感じで投げられた。200球を投げましたが、疲れはないです」と余裕の表情だった。持ち味のクロスファイアの威力も復活。新フォームが体にフィットした証しだった。

 投球中、東野、坂本、沢村ら若手選手が足を止め、内海の気合を肌で感じ取った。昨季終了後、内海は「自分が選手会長のうちに、絶対優勝したい」と宣言した。アップから先頭に立ってチームを鼓舞するが、魂の200球超えで熱い思いも伝えた。【久保賢吾】

 [2011年2月13日12時37分

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