衝撃のプロ1号だ。ソフトバンクのドラフト2位柳田悠岐外野手(22=広島経大)が実戦初アーチを放った。紅白戦の5回裏。岩崎のスライダーを振り切った打球は左方向に舞い上がった。左翼から右翼に流れる風にも負けない。逆方向の左翼席にたたき込んだ。

 「ちょい詰まりでした。(外野手を)越えるかなとは思ったけれど、まさか入るとは思いませんでした」

 フルスイングが魅力のルーキー。豪快アーチに秋山監督も「パワーあるよなあ」と目を細めた。

 これで紅白戦3試合で5打数4安打。柳田のスイングには長打と確実性を併せ持った秘密が隠されている。飛距離の源は右手首の返し。球を左手で押し込むのではなく「右手のリストを効かせるイメージ」。逆方向でも引っ張るイメージでの柵越えなのだ。

 7回裏には神内のスライダーを中前安打。立花打撃コーチは「一番いいところは、手がここから動かないところ」とトップのしぐさを見せながら証言した。頭の後ろで高いトップの位置を保ち、グリップを頭から離さず打ちに出る。最短距離を通るV字軌道のスイングが変化球への対応力とパワーをサポートしている。

 結果を残し続ける新人は急きょ、中堅を争う長谷川らと、20日に2軍が行う巨人との練習試合派遣が決まった。秋山監督は「どんどん試合に出た方がいい」。開幕1軍へのステップを準備された裏返しでもある。

 [2011年2月20日11時29分

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