<オープン戦:日本ハム3-1ヤクルト>◇2日◇札幌ドーム

 日本ハム小谷野栄一内野手(30)がオープン戦ヤクルト戦(札幌ドーム)の4回に右手首に死球を受けて骨折、開幕が絶望になった。大事をとって途中交代し、札幌市内の病院での精密検査の結果「右手豆状骨(とうじょうこつ)の骨折」が判明。全治に1カ月を要する重傷であることが分かった。「指が動いたので大丈夫だと思ったんですけど…。みんな調子がいいし、僕も早く合流できるようにしたい。明日からはできることをやっていきたい」。5日からは千葉・鎌ケ谷でリハビリに励む。

 佑ちゃんの晴れの本拠地デビュー戦で、チームに大打撃が襲った。由規の剛球を打ちにいったが、内側に切れ込み、よけきれずに右手首付近を直撃した。昨季は109打点でタイトルを獲得した不動の主砲で、ベストナイン、ゴールデングラブ賞も受賞した三塁手が突如、戦線離脱した。梨田監督は「(復帰までに)1カ月半くらいかかるんじゃないかな。ちょっと非常事態」と曇らせた。

 故障禍が、一気にピークに達した。リードオフマン田中がキャンプ終盤の守備練習中に、右手薬指を骨折。幸いにも長期離脱は避けられそうだが、開幕からの出場は厳しい状況だ。内野のユーティリティープレーヤーで、従来なら代役の二、三塁手候補だった飯山は2月27日の楽天とのオープン戦の走塁中に「右大腿(だいたい)二頭筋の筋挫傷」で戦列を離れた。小谷野が加わり、さらに内野手不足が深刻になった。

 投手陣では菊地が右肩痛、捕手では鶴岡がぎっくり腰で、高橋が腰痛で別メニュー調整でリハビリ中。昨オフに右ひじを手術して早期復帰を目指している二岡も、開幕に間に合うか微妙。主力、中堅に続出し、梨田監督の構想が崩れつつある。2軍から尾崎を緊急招集、三塁手は本職ではない陽も試験的に起用し、打開策を探る。いずれにしてもシーズン序盤は、極めて険しい戦いを強いられることになった。