<オープン戦:横浜3-5ロッテ>◇3日◇平塚

 ロッテ唐川侑己投手(21)が“封印”を解いた。横浜戦に先発し、3回3安打無失点。昨年封印し、今春キャンプで再度磨いたシュートが効果的で、6つの三振を奪う快投を見せた。今季初の対外試合登板で存在感をアピールし、4年目の飛躍を予感させた。

 テーマは2つ。まずはシュートだ。1回1死二塁、3番森本を2球連続のシュートで追い込むと、外角球で3球三振に斬った。「コースにしっかり決まって、いいボールになった」と納得の表情。森本も「あそこに投げられたら打ってもゴロ。リーグが違って良かった」と脱帽した。最速は141キロも、右打者への内角シュートでカウントを稼ぎ、残像を生かした外角直球で三振を積み重ねた。

 昨年、シュートの名手で知られた西本聖投手コーチが就任し“宝刀”を伝授された。しかし、5月に打球を受け、右手中指を骨折。2カ月以上、練習のブランクができたため、8月の復帰後は他の球種でしのいでいた。今春キャンプから再習得に励み、打者の反応を確かめた。「全体的にいい調子。結果は気にしていないが、初の先発にしては良かったです」と笑顔を見せた。

 もう1つのテーマは、立ち上がりの克服だった。昨年は1、2回の被打率が3割を超えた。試合前ブルペンでの球数をいつもより12球増の42球とし、ダッシュも増やした。2回までに5奪三振と効果はてきめん。前日の「中田VS由規」に刺激を受けたビッグスリーの1人は「負けないようにしたい」とライバル心をあらわにしていた。【斎藤直樹】