<オープン戦:広島3-6楽天>◇8日◇マツダスタジアム

 またまた、結果を出した。楽天枡田慎太郎内野手(23)が、広島とのオープン戦に「3番遊撃」でフル出場し、適時二塁打を放った。これで2月からの対外試合は出場9試合で34打数14安打、打率4割1分2厘。好調を維持し、目標の開幕1軍へ突っ走る。

 いつもとは違った。遊撃に入った枡田は、二塁ベースを挟み松井稼と言葉を交わした。ベテランの負担を減らすため、初めて試された「二塁松井稼」のオプション。実現した背景には、遊撃で枡田が結果を出しているからという事実もあった。併殺プレーなどで絡む場面はなかったが、「稼頭央さんが、いろいろ指示を出してくれて。守りやすかったですね」と思わぬ経験を喜んだ。

 もっとも、本人は必死。「どこを守るかはチームが決めること。言われたポジションで、しっかりやるだけです」と油断は全くない。その心意気をバットで見せた。3回2死一塁、広島ジオの外寄りのボールに食らい付き、左翼線へ適時二塁打を放った。この打席ではバットが2本も折られていた。「すごく動いてました」と昨季8勝右腕のムービングボールに手を焼いたが、最後はきっちりやり返した。外の球を逆方向へ。真骨頂だった。

 2月の対外試合から高打率をキープしているが、志も高い。「一日一善、いや二善はしたいですね」と毎試合、マルチ安打を目標に掲げた。開幕1軍へ、貪欲に歩を進めていく。【古川真弥】