<実戦形式の合同練習:阪神7-1巨人>◇13日◇甲子園

 猛虎が目覚めた。阪神が13日、巨人と実戦形式の合同練習(甲子園)を行い、オープン戦で不調が続いていた打線が7得点をたたき出した。右肩痛からの復活を期す金本知憲外野手(42)、不振続きだったマット・マートン外野手(29)ら重量打線が活気づき、不安材料をかき消した。

 どこか残っていた胸のモヤモヤ感が解消された。昨季よく見た光景が甲子園に戻った。

 2回1死。右肩痛から実戦形式に復帰して2戦目の6番金本が快音だ。巨人内海の140キロ直球を振り抜き、狭い二遊間をゴロで割った。「11年初安打」となる中前打で出塁し、7番浅井は四球、8番俊介は中前打。1死満塁から9番藤井が先制2点右前打で初タイムリーを決めた。

 なお1死満塁。1番マートンにも待望の1本が出た。真ん中チェンジアップをとらえて2点中越え二塁打。オープン戦打率1割5厘。不振に苦しんでいた男に光が差し込んだ。もう止まらない。平野から鳥谷、新井、ブラゼルも続き、四球を挟んで8連打。一気に7得点をたたき出した。

 マートン

 スイングは何も変えていない。シンプルにやろうと思っている。開幕に向けて精神面を整えていきたい。まだ、あまり感触は良くないけどね。

 オフから長打力増を狙い、足を高く上げる打法に挑戦中。この日の練習では足の上げ幅を小さくし、214安打を放った昨季に近いスタイルで結果を出した。

 強力打線は今オープン戦9試合で1試合平均2得点。12球団で唯一チーム0本塁打という状況だったが、復活組、不振組がそろって快音を響かせてムードも上がってきた。

 金本は試合後、8連打の7本目を記録した弟分新井を“口撃”。「それにしてもアライさんは押せ押せになったら打つな~」。愛情たっぷりのいじりで周囲を笑わせた。観客はいないながらも甲子園の“巨人戦”で猛虎が目覚めた。