労組プロ野球選手会会長の阪神新井貴浩内野手(34)が17日、セ・リーグの25日開幕決定には賛同できない姿勢を示した。「東日本大震災」の影響を考慮して開幕延期を要望していたが、セ・リーグが従来通りの日程を発表した。新井会長は今日18日に12球団の選手会にヒアリングを行い、今後の対応を協議する考えを示した。

 新井が経営者側に訴えてきた開幕延期要望は通らず、日程通りの開幕が発表された。

 新井

 選手会の要望が受け入れられずに、残念に思う。もちろん悔しいし、残念です。被災された方、今も安否不明の方、避難所で生活されている方のことを思うと、本当に今、開幕していいのか。電力不足とか原発の問題もあるのでやってもいいのか、それが選手会の総意だった。パ・リーグは大きな決断をしたな、と思います。

 前日16日には12球団の選手会に電話でヒアリング。「あらためて延期すべきだという意思を聞いた。再度確認をとって事務局に伝えた」。この日に開かれたセ・リーグ理事会に、選手会の総意としてもう1度「延期要望」を出したが、受け入れられなかった。

 すぐには賛同できないかと聞かれ「はい、そうです」と答えた。選手会として、対抗措置を探る。今日18日に選手会事務局のスタッフを12球団に派遣。25日開幕に対する意見を集約する考えだ。

 新井

 再度、意見をヒアリングして、今後の対応を決めていきたい。(金銭支援は)延期してチャリティーマッチをするとか、募金活動をするとか、他にも方法はある。

 ただ野球でファンを勇気づけるという趣旨は経営側と共有しており、争点は開催時期だ。

 新井

 ボイコットの可能性はゼロ、と今の段階では言えない。ヒアリングして選手がどう反応するか。ただ選手会はあくまで常識的なつもりで言っている。ファンが一番望んでいない。選手も望んでいない。

 ストライキなどの強硬措置には慎重な姿勢をみせた。【益田一弘】