開幕前哨戦で、強烈パンチだ!

 ソフトバンク内川聖一内野手(28)が、本拠地第1号を放った。オリックスとの実戦形式の合同練習(23日・福岡ヤフードーム)に3番左翼で先発出場。4回1死の第2打席で、オリックス木佐貫の高め直球をライナーで左翼席に突き刺した。

 「相手が試しの配球できてますし、あれだけ直球が続けばね。勘違いしないようにしたい。ただ、低い打球で打てた点はよかったと思う」。

 開幕カードで対戦する相手に、なめられるわけにはいかなかった。フルカウントから本塁打を放ったこの打席でも、木佐貫が投じてきた球はほとんどが直球系。この日オリックスベンチからは、新加入の内川に対してだけ「本番用」でない配球の指示があったとみられる。隠しながら試してきた相手に、包み隠さず対峙(たいじ)。横浜時代の04年、2打席連続弾を浴びせるなど通算打率3割3分3厘と得意にする木佐貫に対し、変わらぬ脅威を見せつけた。

 「こっちは変に隠す必要はない。バッターで隠すのは難しいですしね。全て打ちにいきますよ」。

 ここまでは基本的に3番か7番に入っているが、超強力打線の中軸を担う力を開幕前に十分に証明した。常々「自分はホームラン打者ではない」と話すが、11日の横浜戦に続いて今季2本目。カブレラ、松中、多村と並ぶアーチ数は、最近取り組んでいる大きなスイングで左翼へ引っ張ることを意識した打撃練習が支えている。

 「セ・リーグの時に『困ったら右打ち』という考えから、打撃が小さくなってしまっていた部分があった。小さいところから大きくするのは難しいけど逆は簡単ですから」。

 序盤に不振に苦しんだオープン戦も、終わってみれば3割2分4厘の好打率をマークした。開幕を前にきっちりと本来の打撃を仕上げてきた内川が、オリックスだけでなくパ・リーグの他球団を震い上がらせる。【倉成孝史】