広島ドラフト1位の福井優也投手(23=早大)が24日、阪神との実戦形式の合同練習(マツダ)に先発し、5回無失点の好投で開幕ローテーションの「当確ランプ」をともした。抜け球が目立った3回までをしのいだ後は力強さが際立つ。4回2死。城島を追い込み、内角高めの146キロ速球で空を切らせた。倉は外角低めに構えていたが、球威でねじ伏せた。

 福井

 要求通りじゃないのでまだまだ…。空振りを取れたことに関しては良かった。今日はストレートが伸びていました。ゼロに抑えられて良かったですね。

 早大同期の日本ハム斎藤は21日に対戦し、3回13安打9失点とプロの洗礼を浴びた。福井は「(斎藤を)映像では見ていなかったのでよかった。あまり打者の顔を見ずに普通の打者だと思って投げることを意識しました」と話す。冷静に振る舞える強心臓も、大きな武器だ。

 新井、金本、ブラゼルら球界を代表する強打者が並ぶ猛虎打線を抑え、福井株も急上昇だ。沖縄キャンプで出遅れたが、徐々に状態を上げた。そして、開幕ローテ入りを引き寄せた。

 野村監督

 相手打線を見ても緊張することなく冷静に投げてくれた。いい度胸をしている。いいものを見せてくれた。この時期だから(先発候補以外)5回を投げさせることはしない。

 早大でともに夢を追った斎藤、西武大石が苦しむなか、真っ先に先発陣に仲間入りだ。それでも福井は「いまの段階で開幕1軍と思っていない」と冷静。本番まで約2週間、片時も気を緩めない。【酒井俊作】