今年も俺に任せろ!

 ソフトバンク多村仁志外野手(34)が、宿敵ロッテに豪快弾をぶちかました。

 29日のロッテとの練習試合。スタンバイOKと言わんばかりの一打は2回の1打席目だった。直球が3球続いた1ボール2ストライクからの4球目。一瞬グッと我慢するようにボールを呼び込んだ。ロッテ唐川の緩い変化球に対応。すくい上げた打球は、左翼スタンド奥の防球ネットを揺らす特大弾だ。

 「ホームランという一番いい結果になりましたが、内容として、緩い球に対してうまく体をためられたのがよかった」。

 恐怖の6番だ。この日は大砲カブレラが不在だが、シーズン開幕は4番カブレラ、5番小久保、6番多村の並びが最有力。ポイントゲッターとしてクリーンアップの後ろに配置されるスラッガーが打った瞬間にアーチと分かる豪快弾だ。対外試合3発目は、重量打線の中でもトップとなる量産態勢。昨季、打率3割2分4厘、27本塁打、89打点のチーム3冠王が破壊力をみせつけている。

 パワーの源は、家族との時間にある。今月中旬、子どもの春休み期間を利用し、横浜の自宅から家族を福岡に呼んだ。もちろん、東日本大震災の影響もある。子どもとの時間で力をため、34歳の誕生日だった前日28日に関東遠征へ出発。脂の乗り切ったパパは、豪華メンバーの中でも、ひときわ輝いている。

 昨秋のCSでは20打数5安打で打率2割5分。ロッテに日本シリーズ出場権を譲った。今季こそ-。宿敵を目の前に、背番号6は日本一への思いをバットに乗せたはずだ。