同じように見えるスタートラインでも、中身は大きく違う。昨年と同じ「7番左翼」で開幕スタメンをつかんだ日本ハム中田翔内野手(21)だが、森本の故障離脱を穴埋めした1年前とは立場が変わった。「去年は開幕に残って、試合に出ることしか考えていなかった。今年は余裕を持って臨める。ワクワクするという気持ちしかない」。打線の中に、なくてはならない存在になった。12日が、待ち切れなかった。

 キャンプ中の実戦から6本塁打と成長の跡を見せ、梨田監督も「(試合に)出せばやれるだろう」と期待感を高めた。小谷野が骨折でチームを離れた4月上旬は、4番打者として中軸に君臨。対戦相手の西武涌井からは、昨季も柵越えを放っている。「ファイターズの野球はつなぎの野球。それはしっかりやりたいけど、球場の雰囲気を変えるのはホームランだと思うし、チャンスに強い打者になりたい」と意気込んだ。

 「守りで足を引っ張らないように」と自虐的に話し、報道陣がクスッとにやけると「笑い過ぎじゃないっすか」とツッこんで大爆笑を誘った。気持ちのゆとりが生まれている証し。「『中田翔ここまで変わったんだ』と言ってもらえるように。このチャンスを勝ち取る。誰にも渡さない」。大爆発のシーズンとなる予感が、漂っている。【本間翼】