<日本ハム9-1オリックス>◇15日◇函館

 単なる黒星で終わらせない。オリックス岡田彰布監督(53)が8回、ベンチを出た。すでに6点ビハインド。敗色濃厚な“最終回”のマウンドへ送ったのは木佐貫だった。14日初戦に先発し、2回途中8失点KOされたばかり。指揮官はこの話題を口にしなかったが、高代ヘッドコーチは「悪いイメージで終わるよりはね。中継ぎに、ということではない。1イニングでも与えていいイメージをと考えた」と明かした。先発ローテーションの柱として開幕投手も任せたが、5戦未勝利。教育的とも、懲罰的とも受け止められる登板だった。

 前夜からベンチ入りを伝えられた木佐貫は「ベンチと言われていたので、いくつもりだった」と腹を据えていた。日本ハムは2番陽からの好打順。抑えて、今後への糧にしたかった。ところが陽に中前打、糸井にはまさかの右越え本塁打。首脳陣のメッセージが完璧に打ち砕かれるあたりが、最下位に沈む今のオリックスを象徴していた。

 9勝18敗1分けの最下位で、リーグ戦はひとまず終了。岡田監督にとっては阪神時代の07年以来、自身ワーストタイの借金9だ。明日17日阪神戦(京セラドーム大阪)で始まる交流戦で浮上するしかない。

 昨年は16勝8敗で優勝したが、再び、奇跡的な追い上げを起こすのか。岡田監督のタクトも正念場を迎える。木佐貫投入は復活劇の伏線になるか。【押谷謙爾】