<広島4-3ロッテ>◇24日◇マツダスタジアム

 広島丸佳浩外野手(22)が●を○に変えた。1点を追う8回だ。2死二、三塁。「ストレート系が来たらドンドン行ったろうと」。ロッテ6番手、ロサの151キロの初球を振り抜いた。前進守備の中堅岡田の頭上を越える2点二塁打。決勝点をたたき出し、今季初の本拠地お立ち台で「最後まで全員で諦めないで戦った結果」と胸を張った。

 失敗を取り返した。0-3の4回の第2打席。2死一、三塁で打席に入って3球三振。厳しいコースとは言えない3球だったが、手を出さなかった。「考えすぎた。ストレートが来たら打つ、ぐらいで良かった」。同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかなかった。

 メモ魔に徹し、成長曲線を描いている。対戦相手の印象をすぐさまメモに取る。千葉経大付時代からの習慣だ。高校時代はメモに取り、ノートに写し直していた。プロ入り後はメモ書きでノート10冊は超えた。パソコンはいらない。「僕はアナログですから」と言う。

 1軍に定着しつつあるからこそ得られるモノもある。広瀬からは「打撃で駄目でも、守備に就くときにラインをまたいだら切り替えろ」との金言も得た。野村監督も「怒られながらも悔しい気持ちでやっているのだろう」と目を細める。「交流戦はまだまだ続く。勝っていきたい」と丸。チームは3連勝で、首位ヤクルトに0・5ゲーム差。ツバメの尻尾に手をかけた。【佐藤貴洋】