<中日5-2ソフトバンク>◇16日◇ナゴヤドーム

 ソフトバンクにとって今後の戦いで松中信彦外野手(37)が攻守のキーマンになりそうだ。チームが交流戦V一夜明けで敗戦を喫した中、バットでは好調キープの1発。だが、守備では同点に追いつかれる場面に絡んでしまった。

 ◆打撃

 2回の第1打席で中日吉見の外角変化球をとらえ、右中間席へ先制4号ソロ。

 パ・リーグ9位タイになる通算340号は、タイミングを少し外されつつもバットに乗せて運んだ。「打った瞬間に分かった。結果を出して試合に出られるようにしないと」(松中)。12日ヤクルト戦での最終打席に続く2打席連発。松中は今季52打数で4本塁打で13打数に1発のペースは、チームトップの11本塁打の松田(16打数に1本塁打ペース)を上回っている。

 この日オーティズが左脇腹痛で抹消。長期離脱の可能性も秘めており、背番号3は、故障で多村もいない外野陣の要として不可欠。秋山監督も豪快弾に「ノブヒコは(打撃の状態が)いいからね」とうなずいた。ただ、守りでもクローズアップされるシーンがあった。

 ◆守備

 3回2死一、三塁で中日平田の打球にスライディングキャッチを試みたが捕球できなかった(記録は二塁打)。井出外野守備走塁コーチは「1歩目が少し遅れたが一生懸命やった結果。責められない」。守備力は他の外野陣より劣ることは承知の上。8回には左中間への打球に再びスライディングキャッチを敢行。今度は成功させるなど、スタートをしっかり切れれば器用さはある。

 交流戦制覇の勢いをリーグ戦でも衰えさせないためには、松中の豪快アーチが何より必要だ。【松井周治】