<ソフトバンク1-3日本ハム>◇25日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク杉内俊哉投手(30)が、通算100勝をまたも逃した。福岡ヤフードーム最多3万7025人が詰めかけた2位日本ハムとの首位攻防戦。7回5安打3失点ながら打線が1点どまりで今季3敗目。約2カ月ぶり、今季2度目の同一カード負け越しとなった。

 悔しさが込み上げてくる。1点ビハインドの7回2死一塁。杉内は、外角の138キロ直球を金子誠に左中間へ運ばれた。適時二塁打となり決定的な3点目を許した。7回3失点。先発として最低限の役目は果たしたが、またも勝負どころで踏ん張れなかった。

 杉内

 真っすぐは力がなかった。カーブを少し多めに投げたけど…。もったいなかった。

 悔やんだのは3回。先頭の8番大野に四球を与えると、飯山の犠打を松田が二塁へ悪送球(犠打野選)。味方のミスから広がった危機で踏ん張れず、2死二、三塁から3番糸井に逆転の2点二塁打をくらった。

 斉藤学投手コーチは「(3回は)自滅に近いような失点の仕方だった。四球を出してリズムが悪くなった。制球に苦しんでいた」と厳しい表情で指摘した。

 通算100勝に王手をかけて臨んだ前回18日横浜戦。2点リードの7回、中村に同点弾を浴びた。「早く達成したいと思っている」と、仕切り直したが区切りを前に2度目の足踏みだ。日本ハムとの直接対決で2連敗となり、ゲーム差はわずかに1。今日負ければ、同率で首位に並ばれる。そんな数字以上に、懸念されるのがエースの状態。同投手コーチは「フォームの崩れ方が気になる」と指摘した。

 杉内自身も課題は分かっている。投球フォームのばらつきを修正し、直球の威力を元に戻すこと。そして、確実にカーブでカウントを稼ぐことだ。「修正していきたい」と杉内。チームも下を向いている暇はない。【奈島宏樹】