<巨人2-6中日>◇3日◇東京ドーム

 いつもの姿ではなかった。試合前の笑顔とは対照的に、巨人沢村拓一投手(23)はマウンドで顔をしかめた。1回1死から連続四死球で一、二塁。カウント3ボール2ストライクから投じたスライダーを、和田に左翼席へ放り込まれた。自らピンチを招き、浴びた痛恨の1発。原監督が「やってはいけないところでしょうね」と苦言を呈する点の取られ方だった。

 150キロ超は1球もなく、最速は146キロ。力を抜く投球に重点を置くが、直球、変化球ともに本来のボールではなかった。5回まで毎回走者、1回から4イニング連続で四球を与えた。「無駄な四球が多くて、独り相撲をしてしまった」と振り返ったように、リズムも悪かった。5回には小池の2ランで追加点。プロ最短タイの5回KO。5失点、5四死球、1試合2被弾もワーストだった。

 2連勝と勢いに乗りかけていたが、今季6敗目(4勝)。川口投手総合コーチは「バテてるんじゃないかな。こういう日もある」と話したが、試合後、疲れの影響を聞かれた沢村は「そういうのはなかった。単なる実力不足です」と答えた。そして「こういうピッチングをしてしまうのは、チームが乗り切れない原因」と自身を責めた。

 チームは今季ワーストタイの借金7に戻った。原監督は「いろんなコンディションはあるでしょうけど、今日は非常にいい勉強にしていかないといけない投球でしょうね」と失敗を糧に、成長することを求めた。「1週間を1日も無駄にすることもなく、過ごしていきたい」。次回登板に、その進化が問われる。【久保賢吾】