<オールスターゲーム:全パ5-0全セ>◇第3戦◇24日◇Kスタ宮城
マー君の心は躍った。並み居る好投手を脇に、楽天田中将大投手(22)が真っさらなマウンドへ立った。「すごい声援。純粋にうれしかった」。被災地から招待された3000人の野球好きにも押され、全パの第1球を投げた。1死二、三塁を招いたが最後は広島栗原を三ゴロ。「(1年目を)思い出しちゃいました」と苦笑いした。新人だった07年、同じ仙台の球宴で2回6失点だった。今度は公約通り、ピンチを切り抜け0に抑えた。
続く2回を継いだのは日本ハム・ダルビッシュ。地元東北高出身は「あいつ(田中)の後で気持ち悪かった」と冗談めかしたが、1回無失点。1死満塁でヤクルト青木を併殺に仕留め「良い雰囲気で投げられました」とクールに話した。
田中-ダルビッシュ。20日に完投の投げ合いを演じた2人のリレーの裏には、先輩の“おとこ気”があった。ファン投票1位の投手は先発が通例。ダルビッシュも秋山監督から、この日の先発を打診された。だが、第1戦の練習中、自ら監督に「Kスタ宮城は僕の場所じゃない。仙台のファンが喜んでくれる方がいいと思います」と、地元に愛される後輩を推した。
田中には得意の高速カーブも伝授した。「教えたのに。全然ダメ」(ダルビッシュ)。「ダルさんは全部がすごすぎる」(田中)。ほほ笑ましいやりとりも、互いの力を認めているから。しばしのチームメートを終え、再びライバルに戻る。後半戦も、東北に、全国に、熱投で元気を届ける。【古川真弥】



