<日本ハム13-5オリックス>◇27日◇帯広

 今月来日したばかりの新助っ人が、豪快な一振りで快勝を演出した。8-3の4回2死から、日本ハムボビー・スケールズ内野手(33)が相手の息の根を止める満塁弾を右中間の芝生席へ運んだ。15日西武戦(札幌ドーム)でも満塁弾を放った。来日してから約1カ月。新天地で放った4本塁打のうち、実に2本がグランドスラムという結果に「こういう経験は1度もない」と、打った本人が一番驚いていた。

 来日する2~3週間前にも、米3Aの試合で満塁弾を放っている。「僕はホームランバッターではない」と言いながらも「今年に関して言えば日米で3本も満塁本塁打を打ったことになるね」とにっこり。日本ハムでは05年3月の高橋信(巨人)以来、6年ぶりの月間2満塁本塁打でチームの通算4000勝を飾った。「歴史の一部になれてうれしく思うよ」と喜んだ。

 満塁男と言えば、リーグ制覇した09年には、金子誠がベテランの勝負強さを発揮。今季は満塁機で打率6割2分5厘をマークしている伸び盛りの中田がいる。ここに満塁打率6割6分7厘のスケールズが加わるのだから、相手にとっては脅威だろう。2季ぶりの優勝へ向け、勝負の後半戦。意外性のある一発を秘める背番号2の存在が、頼もしい。【中島宙恵】