伊良部秀輝氏(享年42)の突然の死去に、各界からも驚きの声が上がった。93年、伊良部氏が当時の日本最速となる158キロをマークした時の対戦打者、清原和博氏(43=日刊スポーツ評論家)も悲しみのコメントを寄せた。

 平成の名勝負として今でも語られる、「伊良部VS清原」。当時は球界を代表する速球王と長距離砲の対決として、注目を集めた。西武在籍時に当時ロッテの伊良部氏と対決。特に158キロをマークした93年5月3日の対決は名シーンとして有名だ。8回からマウンドに上がった伊良部氏は当時、「清原さんが、でかく見えた。だからしゃにむになった。清原さんじゃなかったら158キロは出ていなかった」と振り返っている。1球目151キロを見逃し、2球目の156キロはファウル。カウント2ストライクからの3球目、158キロをファウルし、続く4球目の158キロもファウル。最後は157キロの7球目を左中間二塁打を放っている。

 清原氏

 第一報を聞いた時は驚きと悲しみでいっぱいでした。今でも信じられません。伊良部とは日本最速の勝負やたくさんしのぎ合いをしてきました。だからすごくすごくつらいです。悲しいです。苦しいです。悲しすぎます。

 名勝負はそれだけでは終わらなかった。94年5月には伊良部氏から初めて2打席連発。96年5月には、前年8月から117イニング連続被本塁打0だった伊良部氏の記録をストップさせた。伊良部氏が最も本塁打を打たれたのは清原氏の11本だった。また94年には西武とロッテが合同で対決Tシャツを発売するなど、90年代に最も注目された対決だった。