<日本ハム2-3ロッテ>◇2日◇札幌ドーム

 好投しても報われない時がある。日本ハム斎藤佑樹投手(23)にとっては、1勝の重みを痛感する試合となった。6回を無失点。勝利投手の権利を得て1-0で救援陣にマウンドを託したが、直後に名手小谷野の失策で同点に追い付かれた。4勝目は一瞬で遠のいてしまった。

 これまで以上に、投球に手応えはあった。ボール球が先行し、毎回のように得点圏に走者を進めたが、ホームは踏ませない。井口、福浦と、苦手にしてきた打者に仕事をさせず、自信は深まった。右打者へのツーシーム、そして低めへのフォークボールも効果的だった。投球の幅が、前半戦よりもはるかに広がっていた。

 ロッテのエース成瀬と、堂々と渡り合った。ただ、決定的に異なる部分があった。斎藤は4安打ながら5四球。6回までに102球を要したのに対して、無四球の成瀬は5安打1失点でも81球。「球数が多くなってしまったのも6回で降板した原因。相手はすごくいい投手なので、勝つためには投げ勝たないといけないと感じていた」。1点差の投手戦で、相手先発より先にマウンドを降りた時点で、自身の4勝目へのこだわりは捨てていた。次回8日の楽天戦こそ文句なしの投球で、白星を奪ってみせる。【中島宙恵】