<ヤクルト2-0中日>◇23日◇神宮

 落合竜の貧打病が深刻化した。今季18度目となる完封負けを鬼門の神宮でヤクルトに喫し、8月14日横浜戦から8試合連続で2得点以下となった。62年の9試合連続以来、球団史上49年ぶりの不名誉記録。中日落合博満監督(57)の600勝も、勝率5割復帰もお預けとなり、首位ヤクルトとのゲーム差は6・5に開いた。

 思うようにいかない試合運びを象徴するようなシーンだった。8回表終了時。ベンチに戻ろうとする中日谷繁元信捕手(40)が三塁側からヤジを飛ばしたファンに応戦した。ベンチからコーチ陣も飛び出して一触即発のムード。怒号が飛び交った。もどかしさが一気に爆発した。

 信じられないミスが連発した。5回だ。1死二塁から9番ネルソンが中越えの今季初長打を放った。しかし、二塁走者谷繁が三塁コーチャーの辻総合コーチとの連係ミスで三塁ストップ。本来なら手にしていた1点をフイにした。6回には2死一、三塁からバレンティンの打ち上げた内野フライ(記録は二塁打)をネルソン、グスマン、森野がお見合い。みすみす1点を献上した。

 「何とも言いようがない。ミスはミスとしてやらないようにまた明日から頑張ります」

 谷繁ははっきりとした口調でそう話したが、低調な打線は日を追うごとに深刻さを増している。この日はヤクルトよりも多い8安打を放ったが、拙攻で無得点。8試合連続して2得点以下となり、62年に9試合連続を記録して以来、球団史上49年ぶりの不名誉記録となった。鬼門神宮ではこれで今季1勝8敗1分けだ。

 試合後にベンチから出てきた落合監督は観客席から「落合辞めろ~」というヤジを受けながら「不思議なゲームでした」とひと言。ミスが続いたことに質問が及ぶと「それが野球だよ」と笑みを浮かべた。王手をかけていた監督600勝もお預け。あと味の悪さだけが残った。【桝井聡】