阪神が、レッドソックス岡島秀樹投手(35)の獲得調査を行うことが22日、分かった。FAとなる中継ぎ左腕について、球団首脳は「投手はいくらいてもいい」と、可能性を模索する考えを示した。岡島以外にもブレーブス川上憲伸投手(36)インディアンス福留孝介外野手(34)ら、日本人メジャーリーガーの動向を慎重に見極めていく。

 阪神が、日本人メジャーリーガーの獲得調査に乗り出す。国内のFA組には慎重な姿勢だが、米球界の動きはしっかりと把握していく構えだ。球団首脳が、フリーエージェントのレッドソックス岡島について口にした。

 「投手はいくらいてもいい」

 岡島は、レッドソックス5年目の今年5月に戦力外通告を受けて、傘下の3Aポータケットでプレーしてきた。中継ぎ左腕として34試合に登板し、8勝1敗、防御率2・21。チームの北地区優勝に貢献している。また、昨季までは名門チームの貴重なセットアッパーとして、4年連続で50試合以上に登板した。

 シーズン終了後には地元紙プロビデンス・ジャーナル電子版のインタビューに対して「自分が来年、何をしているか分からない。引退するか、日本に戻るか、またここ(米国)でやるのか、オフになって考えたい」と話し、来季の白紙を強調している。阪神は昨年も獲得に向けた調査を行っており、その動きに注目している。

 今季の阪神はロッテからFAで小林宏を獲得。藤川、久保田と勝利の方程式「トリプルK」を結成したが、期待通りに機能しなかった。現在は残り29試合というシーズンの佳境で、久保田、小林宏がともに2軍調整を余儀なくされている。2人の穴を埋めるようにルーキー榎田が奮闘しているが、中継ぎ、特にブルペンを支える左腕の選手層は決して厚くない。実績十分の岡島に関して、動向調査に入ることは自然な流れだ。

 また岡島以外の日本人メジャーリーガーにも注目している。ブレーブス川上は3年契約を終了。阪神は、川上がFAでメジャー移籍した08年オフにも獲得調査に乗り出しており、ブレーブス在籍中も興味を示してきた。野手では、4年契約の4年目を迎えたインディアンス福留も継続して見守る見込み。シーズン終盤を迎えているが、球団として、2012年シーズンに向けた準備に余念がない。

 ◆岡島秀樹(おかじま・ひでき)1975年(昭50)12月25日、京都府生まれ。東山で2、3年のセンバツ出場。93年ドラフト3位で巨人入団。06年3月、実松、古城との1対2交換トレードで日本ハムへ移籍。06年オフFA権を行使しレッドソックス移籍。186センチ、88キロ。左投げ左打ち。

 ◆福留孝介(ふくどめ・こうすけ)1977年(昭52)4月26日、鹿児島県生まれ。PL学園から日本生命を経て98年ドラフト1位で中日入団。07年12月にFA権を行使しカブスと4年契約を結んだ。今年7月にインディアンスへトレードで移籍。182センチ、85キロ。右投げ左打ち。

 ◆川上憲伸(かわかみ・けんしん)1975年(昭50)6月22日、徳島県生まれ。徳島商から明大を経て97年ドラフト1位で中日に逆指名入団。1年目に14勝で新人王を獲得。08年オフにFA権を行使し、ブレーブスと3年契約。179センチ、90キロ。右投げ右打ち。