流出ピンチ!

 阪神マット・マートン外野手(29)が、米球界復帰願望を抱いていることが26日、分かった。代理人を務めるキース・ミラー氏が来日して、前日25日までの巨人3連戦を甲子園で視察。「たぶん米国に戻るんじゃないかな」と注目発言した。球団は、2年契約の最終年を迎えたM砲の残留ミッションに全力を尽くす。

 マートンの去就のカギを握る男が、注目発言をした。ブラゼルとマートンの代理人を務めるミラー氏が、居住する米デトロイトから来日し、前カードの巨人3連戦を甲子園で視察。契約選手2人の動きを、しっかりとチェックした。その上でM砲の今後について言った。

 ミラー氏

 今回の来日は(阪神球団と)顔を合わせた程度。正式な契約交渉はシーズンが終わってから行うが、マートンはたぶん米国に戻るんじゃないかな。

 ミラー氏は「Maybe(たぶん)」という表現を使って、現時点でマートンがメジャーリーグ復帰を志向している見通しを示した。

 マートンは2年契約の最終年。去就については、今年1月29日の再来日時に白紙を強調した上で「来年以降、もし米国に帰るとしても、日本の生活がどうこう、ということじゃないし、この先ずっと日本でプレーするかもしれない」と話している。その後はシーズンに集中。それだけにミラー氏の発言は、意味を持つ。

 日本では、米国スカウトの視察が日常化。今季は日本ハム・ダルビッシュ、中日チェンらの試合が注目されている。当然、ヒットを量産するマートンの姿もスカウトたちの目に触れている。最近は元広島ルイス(レンジャーズ)元阪神、オリックスのボーグルソン(ジャイアンツ)ら日本の経験を糧にして、米国に戻って活躍する選手も増えている。M砲がメジャーからリストアップされている可能性は高い。

 球団にとって、マートン残留は最重要課題だ。来日1年目の昨季はプロ野球記録の年間214安打をマーク。今季もここまで打率3割5厘で、リーグトップの巨人長野に2厘差と迫る2位。現在16試合連続安打中と絶好調で、逆襲のキーマンになっている。仮にマートンが流出すれば、虎党にとって、一大事になる。

 注目発言したミラー氏だが、一方でこうも言った。

 ミラー氏

 マートンがこのチーム、タイガースに強い愛着を持っていることは確かだ。

 マートンに米国復帰願望はあるが、決定事項ではなく、流動的な部分もある。

 球団では29歳と若いマートンに対して、複数年契約を準備して残留を働きかけていく見通し。すでに8月に米国で球団の渉外担当がミラー氏と接触。交渉の第1段階として来季残留を求めるチーム方針を伝えている。異例となるシーズン中の交渉スタートは誠意の表れ。マートン残留に向けて、全力を尽くしていく。