<中日6-4広島>◇4日◇ナゴヤドーム

 広島の助っ人ブライアン・バリントン投手(31)が中日打線につかまった。2回に初球を3連打され2失点。6回には3点を奪われるなど来日ワーストタイの6失点(自責5)を喫した。ストライクを先行させる攻めの投球が研究され、初球攻撃にやられた。来季残留が決まっている優良助っ人は、来季へ向けて残り試合で修正を図る。チームは引き分けをはさみ5連敗で今季最多の借金「13」となった。

 わずか5球で2点を失った。2回だった。先頭のブランコから谷繁、和田と3者連続で初球を狙い打たれた。続く平田は初球見逃しのあと2球目を遊ゴロ併殺打に打ち取ったが、三塁走者が2点目のホームイン。6回2死一、二塁で平田に浴びた決勝の2点適時三塁打も、やはり初球の甘く入ったスライダーだった。

 3点を先制した直後の2失点で中日を勢いづかせ逆転負け。5連敗で借金「13」になった。指揮官は、勝ち運から見放されたバリントンの課題を挙げた。

 野村監督

 彼の持ち味は球が動くことだが、1年やってきて各チームが研究してきている。今後考えていかないと。

 来日当初は完封勝利を挙げるなど3連勝していた中日に、これで3連敗。勝ち星自体も、8月24日の横浜戦で12勝目を挙げてから、もう1カ月以上もない。好投しても援護がなく勝てない試合もあるが、簡単に四球を出したり、連打で失点するケースも増えてきた。助っ人自身も、相手打線が研究していることは肌で感じている。

 バリントン

 2回は積極的にストライクを取りに行った結果。それはシーズンを通して変わらない。確かに中日打線はファーストストライクから打ってくる。でも、今日は(捕手の)要求したところに投げられなかっただけだよ。

 どんどんストライクを投じる攻めの投球が助っ人右腕のスタイル。だが、このままでは同じ失敗を繰り返す。来季残留が決まっており、当然先発陣の軸と期待される男だけに、早めの課題解消が必要だ。大野投手チーフコーチは“頭球術”を変えるべきだとアドバイスする。

 大野コーチ

 やられたら当然相手も考えるわけだけど、それを逆にどう利用するかなんだよ。

 初球から打ってくるなら、その打ち気を利用してストライクゾーンからボールになる球を打たせるなど方法はいくつもある。

 今季は残り2、3試合の登板が見込まれる。そこが、課題解消のテストの場となる。【高垣誠】