巨人のルーキー沢村拓一投手(23)が、200イニング投球回達成へ、今季最終戦の横浜戦(22日、東京ドーム)に中継ぎ待機プランが浮上した。現在チームトップの187回2/3を投げ、200イニングまで残り12回1/3だが、先発の機会は今日14日の中日戦が最後となる可能性が高い。完投しても届かない数字だが、最終戦に登板すれば、可能性も十分にある。プロ初の中継ぎ待機で、沢村が最後の力を振り絞る。

 大投手に肩を並べるべく、沢村がフル回転する。目標としていた200イニング投球回。達成には今日14日に先発予定の中日戦で完投することが最低条件。そして、後押しするかのように今季最終戦での中継ぎ待機プランが浮上した。この日、ジャイアンツ球場で投手練習を見守った斎藤投手コーチは、22日の横浜戦での中継ぎについて「可能性はありますよ。先発が3人いたっていいわけだから。十分ある」と明言した。

 200イニングを達成すれば新人では90年の野茂以来21年ぶり、巨人に限れば62年の城之内以来49年ぶりの快挙となる。沢村は「目指したいですね。いろいろなもので何年ぶりということが次々と出てくれば、僕にとってもモチベーションにもなります」と力強く話した。新人王獲得なら巨人で4年連続となり、プロ野球史上初。現在防御率1・97で、1点台でシーズンを終えれば、新人では66年の堀内以来45年ぶりと、記録ラッシュだ。

 もちろん、数字だけでなく、目の前の試合に集中力を高めている。首位中日は3連戦の間にリーグ優勝を決める可能性がある。「(胴上げは)東京ドームではさせませんよ。僕だけじゃなくて、みんなそう思ってると思うので」と、全力で胴上げ阻止にかかる。中日に対しては現在19イニング連続無失点。「もちろん完投はしたいですけどね。いけるところまでいきたいです」と、頼もしく宣言した。チームは残り4試合。全勝フィニッシュへ、沢村がラストスパートに勢いをつける。【斎藤庸裕】