<西武6-3楽天>◇15日◇西武ドーム

 西武がクライマックスシリーズ(CS)自力進出へ、まずは第1関門を突破だ。4連勝で3位が決まる4連戦初戦で、渡辺久信監督(46)が執念の采配を振るって楽天に逆転勝ち。2点リードの8回に先発から配置転換している石井一久投手(38)を投入して流れを断ちきり、攻撃面でも1点を追う5回無死一塁から下位打線で強攻策に出てひっくり返してみせた。追われるオリックスも日本ハムに勝ち、最後の最後まで予断を許さない展開となった。

 何としても自力でCSへ行く。強い決意を示した渡辺監督のタクトだった。8回、“勝負手”を打った。7回に2点差まで迫られた中、マウンドを託したのは石井一。10月に入ってブルペンに配置転換し、先発が崩れた際に流れを変えるロングリリーフ起用が考えられてきたが、今季2度目の救援登板で大胆に勝利の方程式へ組み込んだ。先頭枡田のバットを球威十分の直球でへし折り、ガルシアはスライダーで翻弄(ほんろう)して3球三振。中村も左飛に仕留め、7球で期待に応えた。

 左打者からのイニング。渡辺監督は「左の絶対的なリリーフがいればこういう使い方はしない」とした上で「気持ちがボールに入ってくるピッチャー。経験も実績もある。負けられないゲームで何試合も投げてる」と説明した。石井一も慣れない踏み荒らされたマウンドだったが「みんなの頑張りがマウンドの汚さに表れてた。与えられた役割を果たすだけと割り切ってる」とプロの仕事に徹した。

 1点を追う5回の攻撃では力ずくで試合をひっくり返した。無死一塁から7番大崎で強攻策を選択。左飛に倒れたが「同点も大切だけど、ウチは勝たなくちゃいけない」(渡辺監督)とメッセージは明確だった。1死後は銀仁朗が高めのボール球を左前へ転がし、ヒットエンドラン成功で一、三塁とチャンス拡大。一貫した強気の攻めで栗山の同点打、原の勝ち越し犠飛につなげた。

 4位のチームにオリックスへの過剰な意識はなく、悲壮感とも縁がない。前日14日にそのライバルが敗れて自力CSが復活したが、朝のロッカールームでは「ちょっと話が出たくらい」(銀仁朗)という。さらに「追いかける方は失うものはないですから」と逆にアドバンテージさえ強調する。3つ勝てばいい。シンプルかつ強気に、デッドヒートを制してみせる。【亀山泰宏】