巨人がクライマックスシリーズ(CS)突破に向け、必勝ローテを固めたことが23日、分かった。鍵を握るのが、ルーキー沢村拓一投手(23)の起用法だ。29日のヤクルトとのファーストステージ初戦に抜てき。ファイナルステージを含めれば、最大3試合の先発が可能になるフル回転ローテを組む。30日の2戦目には投手陣の柱の内海を配し、一気の突破を狙う。

 日本一への扉を開く、CS突破ローテの骨格が完成した。第1ステージの“開幕投手”に沢村を抜てき。2戦目に内海を起用し、3戦目に突入した場合はゴンザレスが先発することが濃厚になった。川口投手総合コーチが「短期決戦は状態のいい投手を送りたい」と話していたように、3本柱を中心に構成する。

 ファイナルステージ(FS)も見据えた戦略とみられる。29日に先発した沢村は、中4日でFS2戦目に先発可能。第6戦にもつれ込んだ場合は中3日で、マウンドに上がる可能性も浮上する。昨年のCSでは、第1S阪神戦の初戦に先発した東野が、中3日でFS中日戦の初戦に先発している。シーズン中とは異なる短期決戦シフトで臨んだ。

 決め手の1つは、沢村が見せた敵地ナゴヤドームでの無類の強さだった。2試合に先発し、計19回を無失点。プロ初完封も飾った。「すごく投げやすいです」と話すように、許した安打は合計わずか3安打で、中日打線を全く寄せ付けなかった。前半戦は黒星先行で苦しんだが、後半戦は抜群の安定感を発揮。先発陣で唯一1年間ローテを守った馬力も後押しする。

 シリーズの行方を左右する2戦目に、大黒柱である内海を配置する理由も明確だった。第1Sは2戦先勝制で、1戦目の勝敗にかかわらず重圧の懸かる一戦。最多勝確定の左腕がドッシリ構える。登板翌日のこの日、内海、沢村ともにジョギングで調整。沢村は遠投でフォームを修正し「やるだけです」。CSに懸ける思いはともに同じだった。