日本ハム・ダルビッシュ有投手(25)に、CS限定のフル回転プランが適用されることになった。シーズン中は一定のメドがあった球数制限を解除。ファースト、ファイナルの両ステージに中4日の登板間隔で最大3試合先発する構想だ。札幌ドームで29日に開幕し、西武を迎え撃つファーストステージ初戦から、日本シリーズ進出の野望へとスタートを切る。

 宮崎ミニ合宿を視察した梨田監督は23日、信頼を置くエースへ指令を出した。「(登板試合は)いけるところまで、いってほしい。完投してくれるに越したことはない」。予定ではファーストステージ、ファイナルステージともに初戦での必勝。ファイナルが最終6戦までもつれた場合、その大一番にすべて中4日で投入する。公式戦では120~130球を降板機の目安にしてきたが、特例で排除する可能性を示唆した。

 要職を担う大黒柱は、千葉・鎌ケ谷でシート打撃に登板して40球。打者感覚を確かめる目的だったため、自軍の稲葉と糸井ら主力打者10人に4安打も3三振と、時折笑みを浮かべながら気持ち良く調整した。「普通です」と淡々だが、宮崎の1軍本隊から離れて心身ともに充電中だ。2年ぶりリーグVを逃した反骨のエネルギーを右腕に乗せ、フル稼働の短期決戦へ向かう。【高山通史】