<セCSファーストステージ:ヤクルト2-6巨人>◇第2戦◇30日◇神宮

 ヤクルトの勝利が遠のく絶望的な打球が、右中間を転々と転がった。1点を追う9回、クローザー林昌勇を投入。1点差で9回裏の攻撃に向かうはずが、制球が定まらない。2死満塁から、代打高橋由に右中間を破られた。走者一掃で3点を失い降板。小川淳司監督(54)は「コントロールも球威も厳しい。考えないといけない」と言った。第3戦を考えると、与えたくない4点を9回に失った。

 勝てばファイナル進出が決まる試合で、打線はあと1本が出なかった。1点を追う7回は東野を攻めて、2死二塁のチャンスをつくった。ここで前日に同点適時打を放ったラッキーボーイ藤本を代打に送ると、巨人ベンチは左の山口にスイッチ。代打の代打に右打者の野口を起用したが、2球続けられたチェンジアップで空振り三振。8回2死一、三塁では宮本が遊ゴロに倒れた。

 万策は尽くしたが、勝利にはつながらなかった。好投していた先発石川を、2点目を失った直後の5回2死二塁で交代させた。61球と余力を残した中で、1点勝負と決断。押本、増渕、松岡の中継ぎ陣が無失点でつないだだけに、林の失点が誤算だった。

 今日31日には、右打者増員のために、飯原を昇格させる。小川監督は「今日のことをうんぬん言ってもしょうがない。負けたら終わりなので勝つしかない。点を取らないと勝てない。短期決戦なので、今の状態で使える選手を判断しないといけない」と言う。先発は「ジャイアン」赤川の予定。この日ベンチを外れた村中も、救援に備える。一戦必勝で最後の戦いに挑む。【前田祐輔】