<パCSファイナルステージ:ソフトバンク7-2西武>◇第2戦◇4日◇福岡ヤフードーム

 西武が崖っぷちに追い込まれた。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦に敗れて2連敗。アドバンテージと合わせて0勝3敗となった。1点リードの6回に、レギュラーシーズンで9本塁打を献上した松田に勝ち越しソロを許し、1点ビハインドの8回2死満塁から投入した守護神・牧田和久投手(26)が代打の松中にまさかの満塁被弾。ショックの大きい敗戦となった。

 西武にとってただの1敗ではない。0勝3敗と後がなくなったこと、そして抑えが打たれたこと。どちらも痛すぎる。8回2死満塁、代打松中の場面で牧田を送った。守護神でしのぎ、9回の逆転にかける。渡辺久信監督(46)の青写真が1球で打ち砕かれた。初球、外を狙った112キロのスライダーは吸い込まれるように真ん中低めへ。打球が飛び込んだ右翼席を、牧田は口を真一文字に結んでにらみつけた。

 「スライダーが引っかかりました。代打の初球、振ってくるのは分かってた。ボール球でいこうと思ってたんですけど…」。1点ビハインドの8回満塁。前倒しで苦しい場面の登板となったことにも「許さん(ミンチェ)に何かあったらいくという準備はしていた」と無関係を強調した。淡々と一切の言い訳はしない。ストッパーのプライドで屈辱を受け止めた。

 左打者への外角球が甘く入ってしまう。安定感を誇ったサブマリンの唯一といっていい泣きどころだ。登板4試合中3度救援を失敗した8月も、同じやられ方だった。その時は蓄積疲労で下半身がうまく使えなかったのが原因。CSに入り体調は万全だったが、ファイナルステージ初登板のルーキーに、見えない重圧があってもおかしくない。

 先発岸は1回に先頭への四球から先制され、6回は今季チームがカモにされた松田に勝ち越しソロを被弾。帆足が前日の試合で先頭を4度出した反省とシーズンの教訓を、結果的に生かせなかった。打線も3回以降つながらず、8回1死三塁では代打阿部と中島が凡退。切り札平尾が発熱のためベンチに不在だったことも響いた。ダメージは小さくない。それでも渡辺監督は「4連勝するしかない。このまま終わったらつまんないしね」。指揮官の目は、まだ闘志を失っていない。【亀山泰宏】