新たにDeNAが親会社となった横浜が、ヘッドコーチ候補を元監督の山下大輔氏(59)に一本化したことが3日、明らかになった。新監督の就任が確実な工藤公康投手(48)は指導者経験がないことから、サポート役は経験豊かな人材を検討してきた。複数の候補が挙がる中、監督経験もあるOBで、新規参入したばかりの楽天でコーチやフロントを務めた経験も持つ山下氏にしぼった。すでにGM就任要請を受けている高田繁氏(66)、さらには「工藤監督」の就任発表後、山下氏へヘッドコーチ就任を要請する。

 山下氏は98年の優勝時にヘッドコーチとして権藤監督を支えた。また、TBSが親会社となった翌03年から2年間、横浜監督を務めた。2年連続最下位に終わったものの、若手だった村田(横浜からFA)や内川(ソフトバンク)を起用して成長させ、伸び悩んでいた多村(ソフトバンク)に飛躍のきっかけを作るなどした。

 監督を退任後、05年には楽天ヘッドコーチに就任。新球団の混乱の中、2軍コーチを経て編成本部長も経験した。また楽天退団後はドジャースのマイナーコーチを務め、見識を広げていた。

 さまざまな経験を積む中でも一貫して、古巣である横浜を強くしたいという思いを持ち続けている。正式要請、交渉は今後行われるが、新しいオーナー、そして若い監督を支える立場は、同氏にとってもやりがいある仕事になりそうだ。

 ◆山下大輔(やました・だいすけ)1952年(昭27)3月5日、静岡市生まれ。清水東から慶大を経て、73年ドラフト1位で大洋(現横浜)入団。現役時代は76年から8年連続ゴールデングラブ賞、322連続守備機会連続無失策の日本記録を樹立するなど名遊撃手として活躍。引退後は横浜コーチ、監督、楽天でコーチ、編成本部長などを歴任。09年からはドジャースのマイナーコーチも務めた。家族は夫人と2男1女。