DeNAの来季1軍投手コーチにデニー友利氏(44)が就任することが13日、明らかになった。球団OBで、高田GMが新チームのコーチ編成のポイントとしている“横浜色”の重視にも合致。複数の候補が挙がる中、まだ40代という若さながら、引退後に米大リーグ・レッドソックスで国際担当顧問兼巡回コーチを務めるなど、見識を深めてきた同氏に、課題の投手陣再建を託すことになった。近日中に発表される。

 デニー氏は86年に大洋(現DeNA)にドラフト1位で入団。9年間で2勝に終わったが、97年にトレードで西武に移籍すると、セットアッパーとして開花。貴重なサイドスローの中継ぎとして同年、翌98年のリーグ連覇に大きく貢献した。

 横浜に復帰していた04年には、メジャー挑戦を表明し、トライアウトを経て、レッドソックスとマイナー契約を結ぶなど、ハングリー精神豊か。古巣を強くしたいという思いも強く、若手投手の台頭が必要不可欠な中、その情熱に大きな期待がかかる。

 中畑監督も、チーム再建の最重要項目として、「投手力の充実」を掲げる。今季12球団最低に終わったチーム防御率(3・87)の立て直しは、残留が決まっている木塚敦志投手コーチ(34)との二人三脚で臨むことになりそうだ。2軍監督には経験豊富で、横浜での監督経験もあるOBの山下大輔氏(59)が就任の見通し。DeNAの組閣の骨子が、ほぼ固まった。

 ◆デニー友利

 本名・友利結。1967年(昭42)9月21日、沖縄県生まれ。興南から86年ドラフト1位で大洋(現DeNA)入団。97年に移籍した西武では191センチの右サイドから150キロを超す速球を武器に、セットアッパーとしてリーグ連覇に貢献。横浜、レッドソックス傘下マイナー、中日と移籍し、07年の引退までプロ通算21年プレーした。日本での通算成績は399試合で18勝29敗30セーブ、防御率3・89。09年まで2年間、レ軍巡回コーチとして松坂、岡島、田沢らをサポートした。