【ホノルル(米ハワイ州)16日(日本時間17日)=鈴木忠平】中日和田一浩外野手(39)が“3冠打法”を継続する考えを明かした。落合博満前監督(58)とともに、今年からスタンスを完全スクエアにする新打法に挑戦したが、散々な成績に終わった。それでも竜の主砲は再チャレンジを決意。不惑となる来季、3冠王から伝授された究極打法を完成させる意気込みだ。

 和田の挑戦は終わっていなかった。ハワイでの優勝旅行を満喫する中でも、頭の片隅には不惑を迎える来季構想が渦巻いていた。MVPを獲得して迎えた今季、落合監督とともにあえて新打法に取り組んだが、打率2割3分2厘、12本塁打、54打点と散々な成績だった。それでも、和田が選んだのは「継続」だった。

 和田

 今年とまったく同じことをするわけじゃないですけど、来年も挑戦してやっていかないといけない。(落合前)監督に、どうやるべきかという道筋は教えてもらっているので。

 落合前監督とは09年からともに打撃改造に取り組んできた。そして、今年、その最終段階に挑んだ。オープンだったスタンスを完全スクエアにした。無駄な動きを省くことで確率を上げ、体への負担も軽減する。「打てないコースがなくなり、すべての部門の数字が上がる」という究極の“3冠打法”だった。

 ただ、打撃道は甘くはなかった。統一球の導入や、視力の低下などもあって屈辱的な数字だけが残った。それでも、和田の心が折れないのは打撃の師匠からもらった言葉があるからだ。

 和田

 落合(前)監督からは『最後の段階まで来ている。ただ、最後は苦労するかもしれない。2、3年はかかると思うぞ』と言われていた。今年は想像以上に苦労しましたが、僕の中で、やめるという選択肢はなかった。

 ミスター3冠王と歩んできた打撃道。その最終段階までたどり着きながら、あきらめられるはずもなかった。来季から落合前監督はいなくなるが、今までもらった助言を頼りに独力でゴールへと向かう決意だ。

 和田

 この年になったら2年続けて、成績が出なかったら終わりですから。この旅行が終わったら、オフは終わりだと思っている。

 優勝旅行から帰国すれば来季への準備をスタートさせる。険しい打撃の道が和田を待っている。