日本ハム中田翔内野手(22)が、12年の目標に全144試合フルイニング出場を掲げた。5日、広島市内のジムで阪神金本らと合同自主トレを公開。1492試合連続フルイニング出場の世界記録を持つ鉄人から金言も授かった。昨年はチームトップの143試合にスタメン出場も途中交代は29試合。今年は首脳陣から、さらなる信頼を勝ち取り、チームの勝利のため、グラウンドに最後まで立ち続ける。

 筋骨隆々の体だけでなく、主力の自覚も大きくなっていた。昨季は1試合届かなかった全試合出場について「それは当たり前。そこを目指さないと、自分自身も高められない」と、最低限のノルマとした。続けて、「守るところは、誰にも譲りたくない。全部出られたら最高」と、目標をチームでは08年田中以来のフルイニング出場に定めた。

 世界記録保持者からも金言をもらった。12月中旬から約3週間、同じジムでトレーニングをしてきた金本は「野球界の先輩として、もう少し下半身が大きくなれば、躍動感も出る」とアドバイス。中田は今年、打撃フォームを大きく足を開いて重心を低くする“がに股打法”で通すと宣言。負担のかかる下半身は強化ポイントで「金本さんの下半身の強さ、粘りは自分にはない。そのくらい強くしたい」と意気込む。

 首脳陣の信頼も再度つかみにいく。昨年は途中交代が29試合あったが、後半戦は昨年9月2日オリックス戦の1試合のみ。残りは全て前半戦で、不動のレギュラーとして地位を固めていった1年だった。ただ、今年は栗山新監督が就任し、再アピールが必要。「チームから信頼される打者になりたい。油断したら足をすくわれる」と、妥協するつもりはない。

 今後は大阪桐蔭の先輩、ツインズ西岡らと合同トレを行う予定。「キャンプインまでに、すぐ試合に出られますという体を作りたい」という中田が、チームを日本一に導くため、今季は最後までグラウンドに立ち続ける。【木下大輔】