地元の逸材は絶対に渡さない!

 今年初めてとなる中日スカウト会議が13日、名古屋市内で行われ、愛工大名電のサウスポー浜田達郎投手(2年)と慶大の本格派右腕・福谷浩司投手(3年=横須賀)を徹底マークすることが確認された。地元出身の両腕をシーズン開幕から追いかける。

 約2時間に及ぶ会議で中日のスカウト陣が方針を確認した。今年も変わらないスタンス。それが「地元重視」だ。もちろん、実力の順位付けはするが、同レベルであれば、地元出身の選手を優先して指名したい。ファン心理や営業面も考慮する。その考えに変わりはないようだ。

 中田スカウト部長

 同じ力なら地元の選手。ファンの方もそのほうがなじみがあるでしょうしね。今回、名前に挙がった選手の中にも地元の選手は何人か入っている。

 すでに熱い視線を送っている両腕がいる。この日は各地区の担当スカウトから推薦する選手を集約し、ドラフト上位候補選手として25名程度をピックアップした。中でも同部長が「現段階ではずばぬけている」と挙げたのが6選手。その筆頭が地元出身の愛工大名電・浜田と慶大・福谷だった。

 強豪・愛工大名電のエース左腕浜田は、昨秋の神宮大会で楽天田中の47奪三振に次ぐ大会通算40奪三振を記録。準優勝の原動力となった。140キロ台の直球とともにスライダー、カーブなどの制球が抜群。同部長は出場確実のセンバツで「評価が上がるかも」と心配するほどだ。

 一方、慶大・福谷はガッチリとした体格から最速155キロを投げ込む本格派。今や6大学野球を代表する投手に成長した右腕だが、もともとは愛知の進学校・横須賀高出身だ。中日は無名の頃から逸材として追いかけてきた過去がある。

 中田スカウト部長

 まだ細かいことは決めていない。これから。今年獲った選手の動向も含めてチームの補強ポイントも考えていかないといけない。

 現時点ではっきりとした順位づけはしていない。今後は現場スタッフの意見も聞きながら、補強ポイントを探ることになる。ただ、今オフには左の柱チェンのオリオールズ入団が決まった。次代のエース候補育成は急務。地元出身の金の卵を徹底マークすることは間違いなさそうだ。

 ◆浜田達郎(はまだ・たつろう)1994年(平6)8月4日、名古屋市生まれ。中日堂上剛裕と同じ硬式の名古屋ファイターズから愛工大名電に進む。同校では1年秋からエース。昨年夏の愛知大会は準優勝。同秋は愛知県、東海の両大会を1人で投げきり、ともに優勝。続く神宮大会も準優勝で今春センバツ大会出場を確実にしている。最速147キロの直球と多彩な変化球が武器。183センチ、86キロ。左投げ左打ち。

 ◆福谷浩司(ふくたに・こうじ)1991年(平3)1月9日、愛知県生まれ。愛知・横須賀3年夏の東愛知大会は初戦敗退。甲子園出場経験なし。慶大理工学部に進み昨秋まで東京6大学リーグ通算43試合9勝5敗、防御率1.86。昨春は抑えで12試合に登板し春連覇に貢献。最優秀防御率(0.59)も獲得。東京6大学リーグ最速タイの155キロの直球が武器。183センチ、93キロ。右投げ右打ち。