番長が熱血先生になった。DeNAの三浦大輔投手(38)が14日、厚木市内で国吉佑樹投手(20)、小林寛投手(22)との自主トレを公開した。山登りやノックでともに汗を流しながら、期待の若手を積極的に指導。国吉へは無駄な力みを捨て、球だけに力を伝えるように、小林寛には上半身と下半身の軸が連動するように、フォームの手本を示しての先生役も務めた。

 新球団元年。「横浜はどうだ、いいチームだろと思わせたい」という決意は、並々ならぬものがある。チーム再建に必要不可欠な投手陣の底上げ。そのためには、ライバルとなるかもしれない若手にも、技術と経験を惜しげもなく伝える。先発ローテの座を奪われる“お礼参り”を食らうかもしれないが「競争のレベルが高いほど、自分のレベルも上がる」と、真っ向勝負は望むところだ。

 三浦が先発の柱と言われていては、強くはならないという思いもある。「俺も38。この年の男がチームを引っ張る、と言われるようではダメ。他にそんなチームはないし、もっと若いやつから、そういう存在が出てこないと」。

 当然、負けるつもりは毛頭ない。この日も坂道ダッシュでは若さの前に後れを取ったが、瞬発力を鍛えるアジリティートレーニングでは、若手を上回るタイムを連発し、健在ぶりを見せつけた。残り7勝となった150勝も「それはおまけ」と通過点。頭にあるのは強いチームになるという覚悟だけだ。【佐竹実】