ロッテのドラフト1位左腕、藤岡貴裕(22=東洋大)がゴールデングラブ(GG)賞の歴史に名を刻む。18日、埼玉・浦和の室内練習場で新人合同自主トレを行った。午後は自由練習だが、藤岡はバント処理を選択。マウンドからダッシュし、一塁へ送球という地道な作業を繰り返した。普通はコーチから課されるメニュー。視察した山下スカウトも「プロを25年見ているが初めて」と驚いた。藤岡は「好きなんです。守備は魅せたいと思っている」と、こだわりを見せた。

 プロの目から見ても、すでに球界屈指の守備能力だ。同スカウトは「プロでもトップレベル。けん制だけが欠点だが、守備、クイックが抜群です。(昨季セ・リーグでGG賞の)中日浅尾より上かも。GG賞を狙えと言っている」と絶賛。パ・リーグの新人左腕で受賞すれば、80年の日本ハム木田勇以来、32年ぶり史上2人目の快挙となる。

 藤岡は「プロ野球に入ってきたので、目指せるところは、目指していきたい。まずは1軍でしっかり投げて、その先に取れれば」と意欲を見せた。今日19日には初のブルペン入り予定。守って、投げて-。藤岡が完全無欠の投手を目指す。【広重竜太郎】