仰天の10発スタートだった。阪神金本知憲外野手(43)が4日、思いきり右手を伸ばした。気持ち良いほど大きなフォロースルーは復調の証し。痛めていた右腕だけで振り抜くような一打もあった。キャンプ初の屋外フリー打撃は50スイングで10発。「そんなに入りましたか?」と驚きながらも、「今日は肩の状態が60~70点。今日は監督、コーチもどれだけ振れるかがポイントだった。そこを意識していたから、打球を見る余裕はなかった。思ったよりは確かに振れた」と振り返った。約1キロのマスコットを軽々と振り抜き、すべて右方向へ計10発。推定130メートルの右中間弾も飛び出した。

 第1クール中の屋外フリー打撃解禁は、左膝手術前の07年以来5年ぶり。右肩棘(きょく)上筋断裂からの完全復活を目指し、進退をかける1年。「背番号25(新井貴)と違って、今オフは12月、1月としっかりやった」と切り出し、「彼(新井貴)は“2冠王”宣言している。彼より僕が打つとホームラン王になってしまうし、そんなことはないと思う。僕が今日(右肩の)痛みがないから、(新井貴は)残念だと思います」と、得意の「新井いじり」にもキレが十分。今日5日も屋外フリー打撃に参加し、7日からの第2クール初日にもシートノック解禁の予定だ。【佐井陽介】<43歳金本復活への道>

 ◆決意のウエートトレ

 昨季最終戦が行われた10月24日、試合前に広島市内のジム「アスリート」で約1時間トレーニング。翌日も2時間、全身を鍛える。

 ◆大減俸

 昨年12月19日、1億4000万円減の2億2000万円(推定)で契約更改。FA権は行使しなかった。

 ◆5年ぶり170キロ

 今年1月5日に自主トレ公開。スクワットで5年ぶりに170キロを担ぐ。「今年は最後のチャンス。ダメなら先はない」と悲壮な決意。

 ◆本格スローイング

 1月9日、甲子園室内練習場で今年初めて本格スローイング。

 ◆太もも66センチ

 1月13日、太もも回りが自身最高値となる66センチに。スクワットで170キロを8回上げる。

 ◆遠投

 宜野座キャンプ初日の2月1日、キャッチボールで距離を延ばし、60メートルを超える遠投を披露。