キヨシ感激!

 DeNA中畑清監督(58)が10日、“キヨシイズム”の浸透を喜んだ。沖縄・宜野湾での春季キャンプ第2クール4日目の10日、選手による現役時代の応援歌合唱のサプライズプレゼント。チームが船出してわずか10日で、浮上に欠かせない、明るく元気な雰囲気を実感できたことに、手応えを得た。この日はDeNAの監督候補に挙がっていた日刊スポーツ評論家の工藤公康氏(48)が球場を訪問。同監督と熱い握手でエールを交換した。

 往年のプロ野球ファンなら1度は耳にしたことのある応援歌が、宜野湾球場に響き渡った。「燃えろ~キヨシ男なら~ここで1発」。全選手が5列の隊列を組んでのランニングで、2年目福山がいきなり歌いだす。続いてナイン全員による「キ・ヨ・シ!」の合唱。マウンドから見守っていた中畑監督は、しゃがみ込むほど大笑いしながら、「オイ!

 やりすぎだろ!

 でも気分はいいよ!」。お得意のツッコミを入れながらも、まんざらでもなさそうだった。

 選手の疲れを考慮し、練習メニューを軽めに変更したこの日。最後に予定されていた全員でのランニングに向け、投手陣が用意していたサプライズ合唱だった。三浦、山本、藤江らが“画策”し、このキャンプでユニークキャラブレーク中の福山に音頭取りを指示。三浦は、「音痴だから、ちゃんと伝わるか心配だったけどね」と笑ったが、福山は室内練習場で1人、予行演習を行っていた。知らされてなかった野手も、ちゃんと加わって、「キ・ヨ・シ!」の声に合わせて、拳を突き上げていた。

 これを中畑監督が喜ばないわけがない。「みんなよくやってくれました。一番いい練習だったな、と手応えを感じました」とご満悦。チーム作りの基本に掲げてきた元気のよさと一体感。そして何より、選手たちとの距離が近くに感じられたことがうれしかった。

 選手も雰囲気の変化を実感している。仕掛け人の1人、4年目藤江は「監督やベテランの皆さんが引っ張ってくれている。だから若い力で盛り上げて、もっと下から押し上げていかないと」と話した。

 今日11日には紅白戦がスタートする。「お互いがライバルになる。相手より上の結果を見せつけるんだという気持ちで臨んでほしい」と中畑監督。チーム浮上への下地が整い、いよいよ、戦力見極めのサバイバルに突入する。【佐竹実】