西武のエース涌井秀章投手(25)が、5年連続の開幕投手に向け、仮想「武田勝」を掲げた。19日、紅白戦で今季初の実戦登板を終え「もちろん、去年終わった時から(開幕投手になると)思っている。開幕だけは譲れない」と3月30日の日本ハム(札幌ドーム)との開幕戦に強い意欲をみせた。

 報道陣から斎藤が日本ハムの開幕投手候補の1人だと聞かされた時だった。「僕は(武田)勝さんだと思っているので」と即答した。3年連続2ケタ勝利を挙げる安定感抜群の技巧派左腕。真意は明らかではないが、ともに先発ローテーションを支えてきた投手としての自負を示すような言葉だった。斎藤とは「1回ご飯を食べたことがあります」と話したが、それ以上語ることはなかった。

 渡辺監督は「まだ全然決めてない」と開幕投手が横一線であることを改めて強調したが、アピールするには十分の投球を見せた。1回は斉藤に中前打を浴びたが、中島、中村の主軸を外角直球で連続外野フライ。2回は内野ゴロ3つに抑え、2回を無失点に抑えた。昨季は右肘痛に悩まされ、今キャンプでも慎重に調整を重ねてきたが、不安を一掃。快調なスタートを切った。渡辺監督から「(この時期は)投げられればいい」と調整を一任される右腕は「(開幕戦に)最低でも8、9割(の状態)までいければ」と照準を定めた。【久保賢吾】