「ポスト川崎」の遊撃争いに、遅れていた本命が帰ってきた。右肩痛のためB組(2軍)で調整していた、ソフトバンク明石健志内野手(26)が21日に1軍合流し、紅白戦に6番遊撃で先発。3打数2安打で1盗塁を決め、存在を強烈にアピールした。

 厳しい守備位置争いの最前列に躍り出た。2回無死一塁で岩崎から右前にはじき返し、自慢の足で二塁打とした。7回の第3打席でも吉川から右前打し、マルチ安打達成。さらに細川への初球で二盗を決めた。

 「1打席目は来た球を打っただけ。走る感覚も試そうと思いました。気負いは全くない。普通にやればこのぐらいできますから」

 3年目の今宮、オリックスから加入した金子、新人の塚田とともに遊撃手を争う。昨年の実績から明石が最有力候補と見られていたが、右肩の不安からキャンプはB組スタート。気温が上がって肩の不安がなくなるまでじっくりと調整した。寒さのため守備面で思い切った練習はできなかったが、自主トレ中からバットを振り込んできた成果を、紅白戦初戦で出した。

 「状態はB組にいるときから良かった。表向きは出遅れたと思われているかもしれませんが、自分では出遅れとは思っていません。やることはA組でもB組でも一緒ですから」

 同じく右肩の不安からB組でスタートし同時に紅白戦初戦を迎えた長谷川も2安打1盗塁。この日2安打したのは2人だけだ。秋山監督は「明石と長谷川はしっかりやってきたことを出せているね」と評価した。

 25日からオープン戦も始まり、開幕へ向けたポジション争いは激しさを増す。「自分の力を出すだけ。結果を求めて、やることをやっていくだけです」。明石はあらためてライバルに宣戦布告した。【前田泰子】